今、地元がおいしい…②「ミニトマト」
いま、地元がおいしい… 産地で選ぶ夏野菜の主役たち
信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
特集 <2001.8/9号掲載>
佐久市三塚でミニトマトを栽培する武田辰雄さん。
昨年の農業白書によると就業人口の一番多い年齢層は70~75歳だが、そのひとりに該当する。
佐久市は、農業従事者の高齢化により、体に力の負担のかからない作物として、トマトの栽培農家が多い。
特に、ミニトマトは原種に近いため、生命力が強く、病気にかかりにくい品目として人気が高い。
武田さんは、毎朝ハウスに入るとトマトの最先端の茎に目を向ける。
長年の経験から、色の濃さ、葉のまわりについた露の様子で樹の調子や根の傷みが解るという。
ハウスの入り口で、ふと土の中に排したパイプに目が引き寄せられた。
それは土の中への潅水用パイプだという。
その時、初めて環境条件をいかした栽培に気づく。
ここ、泉田地域は、その名の通り、水に恵まれた里。至る所に水路が流れ、四季を通じて水温の安定した千曲川の伏流水が流れている。
水田はもとより、佐久鯉を育てる池にも流れ、この地にすむ人々はこの水で育った作物を食し、長寿を競っている。
水の恩恵を生かした省力化。このパイプによって3日に一度、わずか15分で潅水が終わる。
生育が早く、目が離せないことがミニトマトの栽培で手間のかかる点である。良品を栽培するための芽整備と、食べ頃の完熟品の収穫をこまめに行うことは不可欠だ。
潅水の省力化は、これにかかる時間を負担なく生み出している。
トマトの栄養
トマトは、赤い色“リコピン”によるガン予防効果で一躍脚光を浴びた。
健康野菜の優等生で、カリウムが体内の余分な塩分を外に出し、高血圧予防にも効果的。細胞を丈夫にし、胃や心臓も守ってくれる。
栽培のコツ
まず、病気に強く、味や品質のよい実を育てるためには、有機質をいれた土づくりが大切だ。
定植した苗はどんどん伸びるので、茎を支柱に結び、余分な芽をとる“芽欠き(横芽とり)”をしながら育てる。
潅水に注意し、実がなりだしたら樹勢を見ながら追肥をする。
一般家庭でも雨よけの覆いができれば理想的。風通しをよくし、病気を防ぐために、茎の下部の“葉かき”をすることも重要である。
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