高原レタス
いま、地元がおいしい…
産地で選ぶ夏野菜の主役たち
信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
特集 <2001.8/9号掲載>
いつも「食」を通じて、おいしさと健康を提案している立場から、農業についてのレポートを思い立った。農業について思うこと、と言われると答えは十人十色。
地域によって農業の形態が違い、一概に捉える事はできないだろう。
しかし、「食」を 『なぜ食べるか』『なぜ必要か』と考えると、何かが見えてくる。
「生産者の良心」と「消費者の理解」とで、共に成り立つ関係。
作物を育てる喜びは、子育てに似ている。場面場面での喜びと満足が苦労を和らげる。地元の産地が最盛期の夏。
私たちと同じ風土の“光と水と土”で育った作物を食べて、地元の農業にもっと近づくために、産地と生産者を訪ねてみた。
日本一の鮮度を届けるために
高原レタス (川上産)
深夜2時、真っ暗な道を川上村に入ると、道の左右にライトアップする畑が点在する。さらに車を走らせ、坂道を右折し登る。
するとそこに広がる、煌煌とライトに照らされたレタス畑。思わず圧倒される風景だ。見上げれば、満天の星空。広大な畑のそこここに照らし出される働く人々のステージ。
その光のひとつに、山中一範さんご夫婦がいた。
妻のさと子さんは、包丁での収穫作業。
切り口にレタスの白い体液がにじみでる。
冷涼な高原の風がレタスの香りを運ぶ。
ズラリと並んでいく採りたてのレタスは、八ヶ岳山麓の天然水のシャワーで洗浄される。
一範さんは、選別、箱詰めの作業を繰り返している。見渡せば、収穫を待つレタスの列、列、列…。
「川上の高原レタスは一味違う」と言われる。
夜露と朝霧で引き締り、昼夜の寒暖の差が高原レタスを甘くする。この甘さとレタス特有の苦味とがコクのある格別のおいしさを生み出す。
他県では真似のできない風土の味だ。
全国一のこの味を守るために行われている深夜の収穫作業。
おいしさをできるだけ早く消費者の食卓へ…、という生産者の想いが伝わる。
生産の中でのひとつの場面を捉えて、大規模生産農家の生産は機械化されている、と思いがちだ。しかし、この収穫作業だけを見ても、労力は大変なものである。
もくもくと繰り返される作業。
後継者を考える時、次世代にいる子供たちが、このステージで働く父と母の姿が全国一のレタスの産地を支えていることに誇りを持ち、やがてこのステージの一員として光の中にいることを願って止まない。
夏こそ注目…レタスの効用
暑さで眠れない真夏の夜。そんな夜のためには、晩ごはんにレタスをたっぷりと食べることをおすすめする。
レタスを収穫すると、切ったばかりの芯から白い乳のような汁が出る。
とても苦い汁だが、これが健康効果のもと。『ラクッコピコリン』というその成分は、脳に働きかけて鎮静作用を促し、眠りを誘う。
また、自立神経のバランスも良くなるため、ストレス解消にも役立つ。
そのほか、レタスの豊富なビタミンCは免疫力を高め、食物繊維が血中コレステロールを下げるなどの効果も望める。
川上村では日本初の100%レタスジュースも販売。約2時間程で効果が現れるともいわ
れる。夕食後、レタスをジュースで飲むのも一案。りんごジュースやミルク(バナナ)セーキ
と半々に混ぜて、ハチミツで甘さを調整すると飲みやすくなる。(1杯レタス1/4個で)
レタスと豚肉のオイスター炒め
レタスは生でビタミンCを。たくさん食べたい時は、炒めるとよい。
豚肉や乳製品を食べると、トリプトファンからできている誘眠ホルモン「メラトニン」によ
って快眠に。レタスと一緒に組合せれば、さらに効果はアップする。
① 豚肉(200g)にしょうゆ、酒、ショウがで下味をつける。
② レタス(大1/2個)を食べやすく切る。
③ ごま油で①を炒め、②を入れ強火でサッと火を通し、味付けは、オイスターソース(大さじ2)、塩こしょうで調整する。
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