高原は夏真っ盛り…(1) 桃
信濃毎日新聞社
「週刊さくだいら」特集
2002.8/8号掲載
夏の信州は自然の楽園。灼熱の太陽を浴びた果実は一気に熟し、そのおいしさを競っている。
のどを潤すフレッシュフルーツは、夏の水分補給には理想的。しかし、未熟で食べたり、過熟で味がボケていては、折角のおいしさも台無しだ。
フルーツをおいしく食べるキーポイントは、食べ頃を知ること。
生産者が丹精こめて育てたフルーツたち。完熟のおいしさを届けるための生産者の努力は、消費者が最高においしい食べ時を見極めて「おいしさの感動」を味わう時に成就する。
品質のよさと食べごろを
モモ 平尾(佐久市)
モモはその甘い香りに包まれただけで、しあわせな気分なってしまう魅力的なフルーツ。桃源郷で憩いのひとときを過ごすように、モモの香りの中で果肉をほおばり、ジューシーな果汁でのどを潤すと、満たされた気持ちになるから不思議だ。
上信越道の佐久パラダのある山の麓は、モモの里。東信随一のモモの産地で知られる平尾地区だ。
今年のモモの出荷予測量は9万ケース。高齢化や上信越道の建設によって、出荷量は最盛期の約4割減少となってはいるが、味のよい産地としてのネームバリューは変わらない。
共同作業が支える産地の安定化…
販売競争の中で産地を安定して継続発展させるためには、生産者同士の情報交換や協力が大切だ。
下平尾に住み、JA佐久浅間モモ専門部会の会長を務める木下肇さんに、話しをお聞きした。
木下さんは、モモとプルーンを生産する専業農家だ。地域のモモ生産者の利益と安定を願い、様々な方面で産地のレベル向上に力を注いでいる。
デリケートなモモは、高品質と高鮮度が第一。傷をつけずに正確な撰果をするために、最新鋭の共同撰果場が設置されている。
また、病虫害からモモを守るために必要な消毒は安全性や経済性を考えた共同防除作業が行なわれている。
モモ栽培の歴史
地元のモモは、平尾と三岡(小諸市)が二大産地。
生産量では佐久市が多いが、三岡のモモ栽培の歴史は古く、明治中期から今に続くものだ。
適地適作と言われるように、小諸義塾の木村熊二が三岡の土に合うのは洋モモだと判断し、モモの栽培に挑戦。モモの缶詰生産にまで発展した。缶詰工場は第二次世界大戦で砂糖が手に入らなくなるまで続き、三岡のモモを有名にして現在に至っている。
光センサーによる糖度と品質チェック
できるだけ手を触れずに甘さと品質がチェックされる
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販 売
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