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佐久平の根菜(1)・・・ 「薬用人参」

                        信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
                          特集(2003.11.6号掲載)

「健康な体で長生きをしたい・・・」医学が進み長寿の時代になったとはいえ、医薬品に頼らない健康な老いは誰もが願うこと。日常の食事で病気の予防と治療をすることを原点と考えると、食べ物に対する捉え方が変わります。滋養たっぷりの根菜を栽培する地元の生産者を訪ね、作物の力と育てる心を探ってみました。

医食同源
「食は命なり」というように、食べ物によって生命の維持が支えられている。中国では2千年以上前から経験に基づく栄養学が伝えられ、食べものの持つ機能を毎日の暮らしの中で理解していた。この医食同源の考え方は、最近見直されている“スローフード”の考
え方にも通じている。地元で生産されている作物で心を込めた調理をし、バランスよく食べることが体にいいこと。食べものの栄養機能、感覚機能、生態調節機能は、毎日続けることで確実な成果につながる。

薬用人参
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漢方医学では「気を補う薬物」とされる、不老長寿の健康食品。江戸時代に徳川幕府が種子を下賜したことから「御種(おたね)人参」の呼び名も。
漢方医学では「気を補う薬物」とされる、不老長寿の健康食品。
江戸時代に徳川幕府が種子を下賜したことから「御種(おたね)人参」の呼び名も。
薬用人参の畑は、どこへ行っても日よけ小屋で分かる。直射日光を避ける日覆屋根は、みんな北向き。北向きの屋根で夏至の入日の方向に畝をつくると温度と照度の変化が少ない、という試験結果から普及したようだ。
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北御牧村の生産者、中村真一さんの畑を訪ねると、しかり。その屋根の下で背を屈めた姿勢で、中村さんたちは薬用人参を掘り上げている。
収穫は見るからに重労働だが、意気込みが感じられる。 
直射日光を嫌い、非常にゆっくりと生育しながら栄養成分を蓄える薬用人参は、土の環境にもデリケートだという。6年という長い栽培期間には、その前の土づくりに3年。そして、3年目の植え替え作業も要する。栽培技術には、観察力と探究心が欠かせない。 
長野県の薬用人参の栽培は弘化元年(1844年)に始まったといわれ。現在、日本での栽培は福島県と島根県と併せて三県で、数少ない輸出農産物のひとつ。中でも長野県は全国一の品質を誇り、それは世界一の品質を意味するという。
生産者が減る中で、薬用人参を語る中村さんの目の輝きに見たものは、世界に誇る信州薬用人参の品質なのか。先人たちが積み重ねてきた特産地の歴史と誇りを感じた。 

薬用人参の効用
ビタミンB群、ミネラル、サポニン、コリンなどが含まれ、効能としては、虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振、血中不良がいわれる。
・老人性痴呆や脳卒中の予防  
・更年期障害の改善・貧血、冷え性の改善     
・ストレスの緩和・糖尿病、肝臓病、動脈硬化、血栓症の予防
・ガン予防、ガンの闘病生活の向上

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地下茎(頭)、主根(胴)、支根(脚)が人体に似た形が好まれる。胴の長さが拳一握り以上あり、胴と同じ位の長さの太い脚が2~4本あるものが秀品。 「特天」の等級。
右から、特太・太・中・並・細 ひげ根を取って形を整える作業。
毎年、出荷が始まると加工のベテランが集まる。

高価なものに効果あり
大きくて太く、重量感のあるものに効果があり、価値も高い。そして、産地で選ぶことが大切。
1年生は、生のままてんぷらやいためものに。
保存は、薬用人参酒か乾燥で。一番効果的な利用法は、まずはせんじて毎日飲用(200ccの水に10gの薬用人参を入れ、弱火で沸騰から3分)。
せんじかすは干して、薬用酒、漬物の漬け床、入浴剤で使い切る。
生は砂糖漬けにも。


栽培技術の改善 
長野県野菜花き試験場佐久支場(小諸市山浦)は、薬用人参の歴史と共に歩んできた。高橋正輝支場長によると、信州薬用人参はその名が全国に知られると生産量が増加し、生産者から栽培技術の改善や品種改良への強い要望が出てきた。
そして昭和22年(1947年)、北御牧村に「農林省長野農事改良実験所北御牧薬用人参試験地」(現北御牧試験地)が発足し、後に県に移管され、その他の特用作物を含めた試験場となって現在に至る。
故宮沢氏の熱心な研究による連作障害対策技術の確立は大きな成果である。
品種「みまき」「信濃麗根(レイコン)」の品種育成などの実績があるという。高品質産地への試験場の貢献度は高い。

Photo_6 北御牧試験地
  現在残っている建物

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コメント

癌と闘病する父に飲ませたいと薬用人参を探していたらこのサイトに当たりました。
日本で栽培されてる薬用人参があるとは知りませんでした。
色々調べてみたんですが、ここから直接購入すことは無理なのでしょうか?
もし購入方法をご存知でしたら教えていただきたいと思い、コメントのこさせていただきました。
よろしくお願いします。

投稿: そにあ | 2009.11.15 04:34

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