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大地がつなぐ次世代への道「白菜」

A 八ヶ岳高原山ろくの高原野菜
       

農業の現場では、消費者の要望に沿った作物を
提供するために、様々な努力がされてきました。
異常気象による干ばつや集中豪雨、病害発生
などの自然害や野菜の安値など。予期しない
ダメージが多い農業。

私たちの命を育む農業が未来に続くために、
消費者である私たちは、生産を理解し、買い支え
る感覚で食を大切にしたいものです。
生産の現場にもっと近づくために、盛夏の八ヶ岳山ろくの高原に飛び出してみました。

B 白菜・レタスの大規模産地の歴史

長野県で標高1000mを越える高冷地にある大規模
産地といえば菅平高原や川上村、野辺山高原が挙げ
られる。
生産環境が大きく影響する作物の栽培は、土地の条件、
気候条件などの風土に根ざした栽培が原点となり、
高冷地に向く白菜、レタス、キャベツを最高の品質に
育てている。

川上村では縄文時代から人の暮らしの跡を残し、稲作が可能な西部の
地域以外は、林業、養蚕で生計が立てられていた。
昭和8年に(1933年)南牧村野辺山で白菜の栽培試験が行われてから広が
った高原野菜の栽培は、八ヶ岳山ろくの産業革命となった。
その後、小海線の開通、戦後の駐留軍への供給による“特需野菜レタス”の
栽培拡大、トラック輸送の進歩により、産地としての規模は揺るぎないものと
なっていった。
気温が低く、朝霧が発生する条件下での栽培品目は限られるが、この地が
生み出す独特の味わいは、誰もが食べて納得するおいしさだろう。
   
南牧村  
酪農と共存する開拓の歴史。今は観光と融合する循環型農業を目指す。

南牧村の高原野菜栽培発祥の地・野辺山は、小海線最高地点の野辺山
駅(標高1,357m)と乳牛で知られる観光地でもある。
戦後、開拓者の手で開墾された畑は、軍用地などの国有地の払い下げ
などで拡大し、酪農主体の南牧村全域に産地を広げた。

野辺山に隣接する板橋に住む三井兵太さんは栽培暦45年。
酪農を営む先代から野菜の栽培に切り替え、今は夫人と長男の源昭さん
とで約8haの面積(24000坪、一部2毛作)を作付けする。
大きな畑は1. 2haという広大さ。堆肥は村内供給で充足する。
「昔は小さな玉ばかり。木箱も何もかもが重かった」と語る。

この地に立ち、自然に溶け込むように農作業をする風景を目にすると、
時空を越えて開拓の努力が伝わってくる。
太陽と共に生きた時代を大地が伝えている。  
C_2

 




三井兵太さんと奥さんの富士今朝さん

川上村 
千曲川の源流は、空に一番近い水の流れの頂点。清流の恵みと
大地が育む新鮮野菜を届けるために。

白菜は重く、需要の減少や加工品の輸入、生産者の高齢化も影響
して作付面積が減少している。
レタス中心の栽培が多い川上村で、高品質白菜の有数の栽培者と
して挙げられる林利康さんの畑では、白菜で好まれるL級の玉がそろ
い、施肥量や栽培技術の確かさを白菜の1玉1玉が表している。
農閑期にはボランティア活動にも余念がないという林さん。
土を知り、農業の在り方、生き方をまじめに考える人柄が、ひしひしと
伝わってくる。

朝霧が野菜を甘く、やわらかくする環境とはいえ、八ヶ岳山ろくでの
無霜期間の栽培は年間100~130日。短期間に高収入を望む環境
で、大量生産のレタス産地が確立した。
しかし、レタスの栽培に偏って同じ品目の栽培を続けることは、土の
バランスを崩し、ひいては永続的な栽培を不可能にする。白菜の消費
を増やすことは、輪作を理想とする生産者の背中を押す行為につなが
る。林さんが種から育てた白菜が、遠い地で消費者の血と肉になる。

生産物が互いの暮らしを変え、食べ支えることは農業への参加になる
ことを改めて感じた。

D

 








林利康、芽実(めぐみ)さんご夫妻

Photo

厳しく品質チェック
林さんが出荷する川上そ菜販売農業協同組合は、
「マルそ」という略称の、歴史ある専門農協。
マルそブランドと言われるほど、市場で評価が高い
品質を保持している。
出荷の際の品質チェックは、重さ、形状にまで
細かく及び、収穫時に根元をしっかり切り落とす
入念な作業は、ひと手間多くて非能率でも、品質
チェックの原点として指導が徹底されている。



「土づくりが鍵」……味・安全・安心を最優先に

F_3

有機農業研究会のみなさん
新海岩夫さん(左上から3番目)、鉄子さん(右下2番目)
   研究会アドレス  http://www15.ocn.ne.jp/^maegawa/



食の安全性が重要視され、“顔のみえる栽培”による心のつながりが
クローズアップされている。
消費者にとってどこで、誰が、どんな方法で、どんな思いをもって栽培
したかがわかる安心感。トレーサビリティによる安全基準の数値より、
人と人との価値観の共有で深まる信頼だ。

JA長野八ヶ岳、川上支所の有機部会の有機農業研究会で活躍する
新海岩夫さんは、栽培の継続と安定は“自然と共生する農業”だと
考える。時代が平成に変わるころ、仲間と共にいち早く有機物による
土づくりに切り替えている。
日本の高度成長の流れと共に大量生産されたレタス。土の中に生きる
微生物や野菜のストレスにも目を向けた栽培法の転換は、産地の先駆
的な取り組みだった。
生産性は落ちるが、作物が育とうとする力や自ら持つ抵抗性を大切に
する農業。彼らが名づけた「環優レタス」の名の通り、環境や生きもの
全てに優しい栽培だ。

時代は昔に戻り、白菜などの輪作作物の栽培拡大の道へと緩やかに
流れている。
妻の鉄子さんは「収益のみを重視する栽培に流されず、自分の生き方
を追求し踏みとどまることが誇り」と語る。
婦人部による学校給食の野菜の栽培、肺がんや胃がんが多い地域
特有の問題解決など、次世代への思いは、生産者自らの健全な暮らし
への願いでもある。生きる
環境を整えることは産地維持の基本になりそうだ。



「地産地消」は身近な野菜から

    冷やしてさっぱり、夏の水分補給に
    
鍋物、漬物の消費が主流の白菜。結球性の品種は明治初期に中国(清)から伝わり、「味のよさ」と「育てやすさ」の両面を求めて、様々な品種改良が続けられてきた。
夏の消費が少ない作物だが、暑い時食べる白菜キムチは格別のもの。中華風にいためたり、ゆでて冷やした涼風メニューでも活躍する。豊富な食物繊維は腸の調子を整え、大腸ガンを予防し、有害物質やコレステロールを体外に出す効果がある。ビタミンCが鉄分の吸収を助けて、貧血の改善にもつながる。
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水キムチと冷麺(ネンミョン)
水(1ℓ)、塩・砂糖(各大さじ1)、おろしニンニク(大さじ1)、おろしショウガ(小さじ2)、キムチの素を混ぜる。深めの容器に、白菜、大根(薄い角切)、ミズナ(セリ)、長ネギ、ニンジン(赤ピーマン)を入れ、漬け汁を注ぎ冷蔵庫に入れ乳酸発酵させる。韓国の
麺をゆでて冷やし、水キムチを注いで、キュウリ、半熟卵を添える。

即席辣白菜(ラーパーツァイ)白菜の株をつけたまま1/6に縦に切り、塩を入れた熱湯でゆで、ザルに乗せて水気を切る。酢(大さじ4)、しょうゆ(大さじ2.5)、砂糖(大さじ1)、ゴマ油(大さじ1)、赤唐辛子の輪切りを混ぜて、軽く絞った白菜にかける。

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