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冬が旬! 「佐久鯉」

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信濃毎日新聞
「週刊さくだいら」
特集(2006.12.21号)掲載


 食生活を見直す
         
Part7









佐久鯉
小鮒の甘露煮
郷土食を食べよう ・・・(1)佐久鯉 

  家庭での食生活を大切にしてほしい、という願いでまとめた当シリーズの最終
 版です。
  先人たちが受け継いできた伝統、暮らしの中で薄れゆく地元の食文化。
  私たちは今、 食の歴史に触れ、先人の歩みを知ることで、郷土食を心のより
 どころとなる“ふるさとの味”“わが家の味”として伝えていきましょう。                        

郷土食…佐久地域の食文化
  佐久鯉は、千曲川の清流と伏流水で育つ信州ならではの味。古くは水田で
  稚魚を飼う“稲田養鯉”で養殖されていた。
    冷たい水のため、飼育は通常より1年長く3年の月日を要すTが、身がしまり、
  脂の乗りは抜群。他地域でのため池飼育と違い、泥臭さがない。

  生粋の佐久鯉の飼育に適地とされるゆえんは、水温が15度ぐらいある湧き
  水によるため池は、稚魚が弱い鯉には最適の環境だからだ。

  環境が育てる特産品は、郷土食という食文化をも育てる。
  佐久鯉は、地元に直結する地産地消の生産と、他地域への販売で生活の
  糧を得る生産とが存在する郷土食だ。しかし、小鮒の甘露煮は地元消費
  の郷土食の色合いが強い。

  佐久鯉は、地元に直結する地産地消の生産と、他地域への販売で生活
  の糧を得る生産とが存在する郷土食だ。
  しかし、小鮒の甘露煮は地元消費の郷土食の色合いが強い。

  また、郷土食にもハレの日とケの日の食べ方があり、時の流れのひとコマ
  ヒトコマに味の思い出を残している。

  佐久鯉は元来、ハレの日のご馳走だったが、日常は調理で取り除いた頭
  や内臓、骨はあら汁、あら煮で。皮はから揚げ、一年魚の当歳は背開きに
  し囲炉裏(いろり)で焼いた燻製「弁慶」にして味わっていた。
  どれもふるさとの自然と温かさを伝える味覚に変わりはない。
  そして、これらを伝承するためには、水環境の環境保全が必須となる。

「佐久鯉」は地元の宝…
   鯉は中国黄河の竜門で滝を登り、竜になって昇天したことから「竜門に登る
   =登竜門」といわれ、生命力のある出世魚として珍重されていた。
   寿命も長く縁起がよいため、神への供え物、慶弔、宴席を彩る高級魚とな
   った。

   佐久鯉は昭和初期に全国一の生産量でブランドとしての名声を得て、佐久
   の名を全国に広めた。   

 歴 史 
   佐久鯉の発祥は十八世紀末(天明年間)、桜井村(現佐久市桜井)の臼田丹
   右衛門(たんにもん)が大阪淀川から持ち帰った淀鯉からといわれる。
   明治時代には、上田、松本等でのため池養殖を行うために桜井から移住
   する若者があり、街道の往来が産業と文化を広げた。
   富岡街道は群馬から諏訪へ運ぶカイコのまゆを、佐久へサナギを運んだ。
   田沢温泉、浅間温泉、鹿教湯温泉では鯉料理を信州の味として広めていっ
   た。
   大正時代は、東京での佐久鯉の販路が拡大し、昭和に入ると、中国での
   養殖の取り組みもあった。

 生粋の佐久鯉
   
稚魚か3年、サナギなどを餌にして養鯉される。

   一年「当歳(とうざい)」
    
5月中旬に5~15歳の親鯉が産卵し、7月に1~5gになった稚魚、
    青仔(せいし)を養殖池に放す。
    10月下旬には体長15cm、100~150gに生育。

   二年「中羽(ちゅうっぱ)」
     越冬後、流水池に放養。10月下旬は400~450gに生育。

   三年「切鯉(きりごい)」
     越冬後、流水池に放養。10月下旬、1~1.5㎏に生育し出荷。

鯉の栄養 
   生命力が強い鯉は、医食同源の中国でも日本でも、「療養魚」「薬用魚」
   として薬膳料理の食材としても注目される。
   血糖値のコントロール、コレステロール低下作用、利尿効果、ビタミンA・
   B・E等の栄養価が様々な病気の予防や内臓の正常化に役立つ。

    ● 糖尿病    ● 肝臓 
    ● 腎臓     ● 胃潰瘍
    ● 目       ● 腰痛
    ● 母乳     ● 疲労回復
    ● 免疫力

鯉料理を楽しむ
   鯉料理は活きた鯉をさばくのが鉄則。キモ(胆のう)は絶対につぶさずに
   取り出す。 グツグツ煮ながらアクをしっかり取り除くと泥臭さがなくなる。
   鯉を飼うどの家にも山椒(サンショウ)の木があるほど、薬味には山椒の
   香りがぴったり。
   内臓の味がよいので、煮物、汁物の味だしにもなる。
     
 鯉こく  
    「こく」は濃醤(こくしょう)のことで、鯉の濃い味の味噌汁の意。地元の
    味噌でわが家ならではの味を。
    骨が苦手な方は、汁に野菜を加えて栄養たっぷり鯉汁に。
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あらい   
    薄く削ぎ切りにして、手を入れていられる位の湯に通し、シャキッと氷水で
    しめる。
    わさび醤油が通の味。オリーブオイル、レモン汁をかけてカルパッチョにも。
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うま煮 
  
    じっくり煮込んで照りを出す。内臓がおいしい。

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鯉 丼  
   佐久市岩村田の鯉料理店、三河屋特製。誕生から約六年、若者が食べる
   鯉料理の新しい玄関口をつくった。
   店主の本多建明氏は、気楽に食べる鯉料理として、丼ものを考えついたと
   いう。
   昭和39年、現在の天皇陛下の稲田養鯉ご視察の際の「鯉を大衆魚として
   も普及させるべき」とのお言葉に応える料理となった。 
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   薄切りの鯉を揚げて、秘伝のタレを含ませた
   絶品。
   骨がまったく気にならず、カラッと揚げた鯉の
   食感がほどよく残り、熟成されたタレの後味が
   上品。
   鯉なのにリーズナブル。

 
  
地域で守る佐久鯉 
  郷土の財産「佐久鯉」を振興し、地域ブランドしとしての地位を守る活動が
  
活性化している。

  その発端は、2002年に佐久市立泉小学校の6年2組の児童たちが、消費
  者アンケート調査で消費動向をまとめ、佐久鯉についての意見書を市に
  提出したことにある。

  その後、有志による佐久鯉人倶楽部が発足し、昨年、昔ながらの水路や
  ため池の残る桜井に民家の鯉料理店「丹右衛門(たんにもん)」が開業した。
  

  また、佐久史学会(小林太郎会長)は、郷土史「佐久」で佐久鯉特集号を
  年内(2006年)に発刊する。古文書や資料にはわかりやすい解説をいれ、
  寄稿や聞き取りによって暮らしに密着した佐久鯉の歴史を集めた。

  編集を終えた柳沢全三氏(編集部代表)は、実体験の記憶が残るうちに
  書き残しておきたかった、と語る。
  次世代に伝える佐久鯉の歴史の集大成になりそうだ。

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